先日、新聞を読んでいたら、こんな記事が出ていました。 ある村で住民から「図書館が欲しい」という声が出てきました。村内には本屋さんもなく、近くの町村にぞくぞくと図書
館ができるのを見て、ぜひわが村にも、と声を出したのです。ところが財政難のおり、村には図書館を作るだけの余裕 がありません。そこで、全国に呼びかけ、古本を集め、利用に供することにしたと言うのです。 似たような話は何度か聞いたことがありますが、さて、どんなものなのでしょうか。
今のご時世、廃品として処理するにもお金がかかるのですから、沢山の古本は集まると思います。しかし、それが図
書館の代わりとなるのでしょうか。 こうした方法にはいくつかの問題点があるように思います。 まず、どんな本が集まってくるか分からないということです。人間のすることはたいてい同じようなものです。買う本も
同じ、いらなくなるのも同じ、一昔前のベストセラーのような同じような本がたくさん集まってしまうかもしれません。 また、情報の新鮮度から言えば、古本では役に立たない場合が多いのです。自然科学、社会情勢などは一年たった
だけでもう役に立たないということがあります。 小説などの文学なら多少古くても良いと思われるかもしれませんが、小説だっていま話題の最新作を読みたいのが
人情です。 図書館の本質は本がたくさんあるということではなく、読みたい本が手に入るということです。古本を図書館の代わり
にしようという発想は図書館の本質を取違えていることになるのではないでしょうか。 確かに、図書館建設というのはお金のかかることだと思います。しかし、今ある公民館図書室をそのまま使い、図書
館の専門家を一人雇って、図書館活動を始めるだけならそれほどのお金はかからないと思います。 リクエストや予 約、他館との連携は専任の職員無くしては出来ないことですが、それだけに非常に効果的なことでもあります。役に立 た無い本がぎっしりとあるよりも、必要な本が確実に手に入ることのほうが利用者にとってはありがたいのです。 こうしたシステムが整った上で、古本集めをすることは有効だと思うのです。
さて、以上は私個人の勝手な考えです。実際に古本を集めた自治体は、その後どうなったか、ぜひ続報を聞きたいとこ
ろです。
|