毎年、この時期になると中学生3年生は進路のことで悩み始めます。「どこの高校に行こうか?」「自分にもっとも合っ た高校はどこか?」などなど。なにしろ、高校のシステムやそこでの勉強などわからないことだらけですから、受験と言 う初めての体験とあいまって不安がつのります。 高校側でもそうした不安を和らげ、また少しでも自校の特色を理解してもらおうと、体験入学を行っています。私たち
が中学生の頃に比べると随分と至れり尽くせりと言う感じがします。 さて、先日、中学3年生といっしょに木曽郡内のある高校の体験学習に行ってきました。
学校説明や体験授業という日課の最後、部活動の自由参観と言う時間になりました。生徒たちは思い思いの場所に
散っていきましたが、集合後どこを見学してきたのか訪ねたところ、多くの生徒が「図書館を見てきた」というのです。理 由を聞くと「とにかく興味があった。」「一番行く所だから。」とのこと。さすがに驚きました。 子どもたちにとって学校図書館と言うのは結構大きな比重を持っているのですね。そう言えば、私が勤務している学
校の生徒会がとったアンケートで「学校に絶対なくちゃ困る場所ベスト3」に体育館と並んで図書館がランキングされて いました。また、毎年行われている、小学生の一日入学でも、中学校の教室の見学をする小学生が目を輝かせる場所 のひとつが図書館です。ずらりと並んだ文庫本や絵本の前で「うわー。」と歓声を上げ、「中学にきたら沢山読むぞ。」と 決意を述べていく子もいます。 先日、ある図書館関係の研究会で来賓の方が「図書館離れが叫ばれている昨今…」と言っておられましたが、事実
誤認もはなはだしい。図書館の利用率は年々向上しています。(活字離れ、は問題になっていますが)そして、子どもた ちは多大な期待を学校図書館に寄せているのです。 特に、学習指導要領が改定され、自己学習能力などが重視されるようになると、子どもたちが求める情報を的確に提
供することができるかどうか、など、学校図書館のありかたがその学校の善し悪しを決めることにもなりかねません そして、子どもたちは敏感にそれを感じ取ることでしょう。高校の体験学習で、図書館を覗いてくるということは、高校
を決める際のひとつの条件に学校図書館があるということですから。 東京品川区の小学校では学区を解消して自由に学校を選べるようにしたそうです。保護者はさまざまな条件の中か
ら自分の子どもに一番良いと思われる学校を選ぶことができるようになったわけです。 これからは学校図書館も学校を選ぶ条件の一つになってくることでしょう。「学校は図書館で選ぶ」と言う時代が来る
かもしれません。 蛇足ですが、学校図書館と言っても施設と図書だけをさすのではありません。優秀で熱意のある司書がいてはじめて
機能するのだということを付け加えておきます。 こうした活動がひいては木曽の文化の向上につながっていくのではな いかと思います。
|