この秋、中国へ旅行する機会に恵まれました。悠久の歴史と広がる大地。学生時代からあこがれていた国ではあり ましたが、実際にその地に立って受けた感動は想像以上のものでした。 さて、学生時代からの憧れの国とは言うものの、実は中国についてはパンダと万里の長城という程度の知識しかあり
ませんでした。今回の旅行は単なる観光ではなく、日中友好訪中団ということもあり、中国について何も知らないまま訪 問するのも失礼かと思い、旅行前に泥縄の勉強を始めました。 ガイドブックも良いのですが、どうしても観光案内やに偏ってしまい、その国の歴史、文化、風土や社会を知るにはも
の足りません。 ところで、ものごとの概観をつかむには子ども向けの本が一番です。しかし、一般の書店では児童書、特に読み物以
外の児童書はほとんど置いてありません。こういう時に役に立つのが図書館です。図書館ではさまざまな分野の児童 書がそろっています。さっそく出かけて子ども向けコーナーから中国関係の本をどっさりと借りてきました。 一番最初に借りてきたのが中央公論社の「マンガ中国の歴史」シリーズ全12巻。こういう本はよほどの物好きでなけ
れば個人でそろえることはないでしょう。通史としては「世界の国ぐにの歴史14・中国」(鈴木亮他著)岩崎書店、現代中 国に関しては岩波ジュニア新書の「中国を知る」(田畑光永)がわかりやすく役に立ちました。中学、高校生の頃はごち ゃごちゃしているばかりでちっとも頭に入ってこなかった、中国の歴史がすんなりと頭に入ってきたことや、漢や唐など の中国の古代と近代中国の歴史が結びついて考えられるようになったことに驚きました。 また、今まで気がつかなかった中国関係の本が書架から浮き上がって見えてきたことも不思議なことでした。「興味・
好奇心」というのが図書館という宝の蔵を開ける鍵なのかもしれません。 これも蛇足ですが、同じような本を何冊も読んでいるうちに、本の良し悪しもわかってきたような気がします。歴史の本
では、英雄を中心としたエピソードが中心となっている本よりは技術や経済と歴史的事実の因果関係が中心に書かれ ている本の方が歴史の流れがつかみやすいようです。同じ歴史を扱いながらも、前者が古代の記述に多くのページを 費やし、後者が近現代に多くを費やしているというように、その比重のかけ方もずいぶんと違うということも不思議なこと でしたが。もっともこれは善し悪しではなく好みの問題なのかもしれませんが。 中学校の修学旅行などはグループ別行動が定着し、「京都の地理」などという昔ながらの本よりも「るるぶ」などの旅
行雑誌のほうが役に立つような時代です。逆に一般の旅行の前に児童書を見るというのも新しい発見につながるかも しれません。 事前の学習が充実するほど旅行も楽しくなります。おかげで初めての中国旅行、驚きと感動に満ちたすばらしいもの
になりました。(中国の図書館を見られなかったことだけは残念でしたが。) 今、公共図書館の29(地理の分類)の書架を見ると「地球の歩き方」をはじめとした、旅行ガイドが沢山並んでいま
す。旅行の前にはぜひ図書館に行ってみましょう、きっと旅行を何倍も楽しいものにしてくれますよ。
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