尿管結石体験記

 俗に、転げ回って苦しむ痛みと言われる「尿管結石」。
 あろうことか、この秋にこれを体験してしまいましたので、ネタにします。(笑)



★98年10月某日

 ある月曜日の朝、なんとなくお腹が痛くなって目が覚めました。
 こりゃ、普通の腹痛とはちょっと違う痛みだぞと感じて、布団の中でどうしたものかと迷っているうちに、痛みはますます強くなってきました。
 こりゃダメだ、病院だ、ひょっとすると入院かも。と思って、激しい痛みで転げ回りながらも、押し入れから大きなバックを取り出し、下着やらタオルやらスリッパやら歯ブラシやらを詰め込み、保険証を持って、ついでになぜかノートパソコンを持ちました。(苦笑)
 職場に休む旨の電話を入れ、電話を切った一瞬、痛みで朦朧とする頭で、救急車を呼ぼうかとも思いましたが、こんな田舎のこと、騒ぎになると困るので、意を決して自分の車に乗り込み、隣町の県立病院へ。
 車の中では、あまりの痛みに足が縮んでアクセルを踏んでいられなくなり、オートクルーズに入れて走る状況に。そして、前をのろのろと走る車に恨み言を唱えていました。
 病院へ着いたのはいいんですが、受付でついに動けなくなってしまい、看護婦さんに車椅子に乗せられて外科外来へ。
 診察台の上でもじっとしていられないような猛烈な痛さで、熱を測ろうとしても、脂汗をかいていて測れない状態でした。
 すぐに医師の診察を受け、血液検査とレントゲンを撮りましたが、この痛がり方は虫垂炎ではなく、「石」だろうとの事で、点滴と鎮痛剤を打ってもらいました。
 「尿が出ればはっきりするんだが…」という医師の言葉に反して、こういう時に限って痛みのためか、なかなか検査するための尿が出ないんです。
 まあ、カーテンで仕切られているとはいえ、診察室の片隅でおしっこをしろというのも無理な話なんですが。(苦笑)
 ようやく痛みが遠のき、点滴のスタンドを引きずりながら、なんとかトイレに歩いて行って尿を採取し、検査の結果が出ました。血液には炎症を起こしているような反応がない代わりに、尿に潜血反応が出ており、まちがいなく尿管結石で、腎臓から膀胱に石が落ちたときの痛みだろうとのことでした。
結石 結石の痛みは噂には聞いていましたが、これほど痛いとは…。
 後で経験者の女性に聞いたところ、「陣痛」より痛かったとか。

 医師の話によると、その石はレントゲンに写らないほど小さく、そのうちに尿と一緒に出てくるので、水分をたくさん取って、尿をどんどん出しなさいということで、痛み止めの薬をもらって帰ってきました。
 病院から帰る頃は、痛みは嘘のように消えており、けろりとしてしまって、医師と看護婦に「お騒がせしました」と礼を言う余裕さえありました。(笑)
 まあ、入院−手術という最悪の状態にはならなかったわけです。
 そんなことがあって、その日は一日家で寝ていました。

 それにしても、こういう時は、独り暮らしは心細い。(苦笑)

 なお、その翌日、飲み会(笑)から帰宅してトイレに行った時、あっさりと石が出てきました! 
 大きさは米粒より一回り以上小さく、黒い芯の周りに、カルシウムと思われる象牙色の結晶が同じくらいの厚さに取り巻いているものでした。
 まるで金平糖のようなゴツゴツした外観を見れば、あれだけ痛くても仕方なかったのかなぁと納得できました。

(写真は出てきた「石」と、比較のために置いた米粒です。なお、石は出てきたときのショックで半壊しています)


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