木曽路にオービスが!(00.11.03)
 木曽路は国道19号が唯一のメインルートなのですが、この国道19号は俗に「木曽高速」と呼ばれています。
 一般国道ですから、最高速度は50km/hとされているのですが、昼間は60〜70km/h、 夜ともなると80〜100km/hの猛スピードで車が走っているからなのです。 原因としては、木曽路のこの区間に交差点や信号機が少ないという事があげられますが、なんと言っても、中央道の恵那山トンネルの通過料金が高いため、通行料を節約するために中津川インターを降りた大型トラックなどが、 木曽路の国道19号を高速道路がわりに猛スピードで走り抜けているのが大きな原因でしょう。
 また、危険物を積載している車両は恵那山トンネルを通行することが禁止されているため、名古屋方面から長野・新潟方面に向かうには、 国道19号を通過せざるを得ないのも一因です。
 それにしても、この大型トラックなどの通過車両のマナーがひどくて、信号無視は当たり前、 はみ出し禁止区間での追い越しや、法定速度近くで走っている車への煽り、パッシングなどは日常茶飯事です。
 もっとひどいのが
飲酒運転。国道脇の自販機で缶ビールを2本買って、1本を飲みながら、 もう1本をダッシュボードの上に放り込んで走り去る大型トラックのドライバーを見る事もあります。 沿線のドライブインでも夕食のついでにビールを2〜3本呑んで、赤ら顔で走り去る大型トラックのドライバーも見かけます。
 こんなドライバーの運転するトラックが、国道19号を80〜100キロで飛ばしているので、 夜間の木曽路の国道19号はまさに無法地帯と化していて、警察は一体何をやっているんだ! と思ってしまいます。
 ということで、せめてもの(?)スピード超過抑止対策として数年前に、 法定速度を超えるスピードで走っていると、前方の信号機が赤に変わるという装置が設置されたのですが、 肝心のスピード超過車は信号無視で走り抜けてしまったりして、無駄な渋滞を引き起こしてしまうだけでした。 
 そこで県警により、’00年の4月に約1億5千万円を投じて国道19号に「高速走行抑止システム」と呼ばれる 事前警告付きの自動速度取り締まり装置(俗に言う「オービス」、正確には「Hシステム」)が設置されました。
 これは、通過する自動車が速度違反をしていた場合、「スピード落とせ」と電光掲示板で警告をし、 それでもスピードを下げない車は写真を撮影して取り締まるというシステムです。
 設置されたのは、北から塩尻市、日義村(2個所)、大桑村、山口村の5個所です。
 ただ、これではその装置の前だけスピードを落とせば、それで難なくクリアーしてしまえるわけで、 抜本的なスピード超過対策にはなっていないのが実際のところだと思います。
 高速道路の料金を下げるとか、恵那山トンネルの通行を許可するとか、 木曽路の国道19号を通過する大型トラックなどの台数を減らす対策が必要でしょう。
 ただ、設置して半年後の’00年10月の県警交通規制課の発表によると、この「高速走行抑止システム」の効果で、 設置直後の5月に比べ、70キロ以上の高速で走る車両が0.4%(!)減少したという事です。
 木曽署では「違反車両も減っており、目に見えて速度は落ちている」という事ですが、 確かに、装置の前ではスピードは落とすでしょうね…。
 発表の中には、設置前と設置後の半年を比べると、交通事故で通行止めになる時間が大幅に減ったというコメントもありましたが、 事故の多い冬場を含んだ時期と夏場のこの時期を単純に比較するのはちょっと無理があると思います。

この装置の設置場所

1.塩尻市床尾地籍(松本方向)
  目印:ラーメンショップ



2 日義村宮ノ越地籍(両方向)
  目印:パチンコ店「パーラーのんびり村」



3 大桑村野尻地積(名古屋方向)
  目印:道の駅「大桑」



4 山口村山口地籍(松本方向)

  目印:馬籠入り口



※それぞれに目印を書きましたが、この装置手前の「速度監視路線」の青い標識と  「スピード落とせ」の赤い字の電光掲示板が一番の目印です。
 

高速走行抑止システムとは
●速度センサー
 事前警告用電光掲示板の速度センサー
●警告用電光掲示板
 速度が超過していると、この電光掲示板で警告される
●取り締まり機本体
 警告を受けても、速度を落とさない場合はこの装置で撮影され、  速度違反で摘発される。
 中央にレーダー、左が赤外線ストロボ、右がカメラ。
●設置の際に道路にマーキングされた速度測定用の目印
 舗装のやり直しなどで現在は消えている所が多い。

※いずれにしても、スピードの出し過ぎは事故の元。くれぐれも注意しましょう!
木曽路は50キロで走りましょう!と地元では呼びかけています。)
※参考
Nシステム装置
 速度取り締まり装置ではないが、塩尻市本山地籍 (1の地点のやや木曽寄り)に設置された「Nシステム」 (ナンバー自動照会システム)。
 この下を通過した車両のナンバーを自動的に読みとり、 手配車両なら自動的に最寄りの警察署に通報されるらしい。
 一連の某宗教団体関連の事件の時は大活躍したとのことで、 ここ数年猛烈なスピードで日本全国に配備された。
 高速道路や、都市部へ続く幹線道路などでよく見られる。
 常に警察に監視されているようで、あまり気分の良いモノ とは思えないような気もする。

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