失われていく森林鉄道の面影

 かつて木曽谷を網の目のように、最盛期には総延長500qを超える路線のあった木曽森林鉄道ですが、廃止から四半世紀を過ぎ、当時を知る人も少なくなり記憶の彼方に薄れてしまいつつあります。
 木曽森林鉄道の廃止から四半世紀、王滝・小川森林鉄道の起点だった上松町の各地に残る施設も取り壊しなどが進み残り少なくなりました。
 朽ち果てていくばかりでなく、人為的に取り壊されるものもあります。

 かつての上松運輸営林署機工課の機関庫だった建物も、先日(02年8月)企業誘致のための道路新設のためついに取り壊されてしまいました。
取り壊しされつつある機関庫
当初は蒸気機関車の機関庫だったため、煙突から出る火の粉対策のためなのか木造なのに天井が厚めのコンクリートでできており、取り壊しは大変だったように見えました。
左側の道に、かつて森林鉄道の線路がありました。
わずかに残った構内の線路で森林鉄道の機関庫だったという事が分かります。
 機関庫は完全に解体されてしまいました。
 一つの時代が完全に終わったのを感じて、一抹の寂しさが残ります…。

 時代が移り変わり、使われていない古い物は失われていくのが当然なのかもしれません。
 でも、木曽に森林鉄道が走っていたという事実を後世にに残していくために、今残っている森林鉄道の遺構は最低限残していきたいものです。

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