ヒノキ
ヒノキ科
ヒノキ属)
サワラ
ヒノキ科
ヒノキ属
ネズコ
ヒノキ科
クロベ属
アスナロ
ヒノキ科
アスナロ属
コウヤマキ
スギ科
コウヤマキ属
先のとがらないウロコ状の葉が対生密生。合わせ目はY字型で白色をしています。 小さなウロコ状で、葉の先がとがっています。 別名クロベ。葉はウロコ状でヒノキよりは大きめ。 別名ヒバ。ウロコ状の葉は広く大きいのが特徴。 ヒノキ科と違い葉は細長く、多数輪生している。
木目が、緻密でかつ通直で美しく、その気品ある色合いと光沢、狂いの少なさ、耐久性の高さ、全てにおいて最適、最高の建築素材です。伊勢神宮を始め、全国の社寺、仏閣等壮大で高雅な建築に使われています。 谷合いの水気の多い所に成育するため耐湿性に富み雨露、酸性に強くて軽いため、破風板や屋根廻り、壁板等に最適な素材です。天然杉に似て色合いが良く柾目の目通りが良いため、ヒノキの代わりに長押、廻縁等の造作材として、また木目が美しいため、天井材としても優れた木材です。 五木のうち最も寒冷気候に耐え、限界林近くの2,000m以上にも成育しています。黒褐色で渋色のある色合いは落ち着きがあります。木目が緻密で光沢があり、美しいため、板物は天井材や壁板に最適です。網代(あじろ)と呼ばれるへぎ板を組んだものは、高級な数奇屋建築で好んで使われます。 色合いや香気という点ではヒノキには劣りますが、ヒノキチオールを多く含み耐湿性、耐圧性に富んでいるため、狂いが少なく、土台、梁、桁等に使われます。 黄白色でカンナ掛けすると艶のある色合いで、他の五木と同じく湿気、水気に非常に強いので、特に風呂場廻り(風呂桶、壁、天井板、すのこ)等に良く使われています。

 以上の5樹種を特に木曽の五木と呼ぶのは藩制時代の保護政策に由来しています。
 藩制時代には、初めは特に伐採の禁止または強度の伐採制度を必要とする一部の藩有林(狩猟用の鷹を増殖させるための巣山および荒廃を防止する等の目的で伐採を禁止する留山)を除き、一般の藩有林(明山)については、地元の住民に自由に樹木の伐採を許可して、生計の資に供させていたのである。
 宝永5年(1708年)に有用建築材を保護増殖する目的で、ヒノキ、サワラ、アスナロ、コウヤマキの4樹種の伐採を禁止することになり、ついで享保12年(1727年)にはネズコをも伐採禁止樹種に加えこれら5樹種についてはみだりに伐採することを禁止するに至ったのである。
 このような保護政策は明治4年(1871年)に藩有林の制度が廃止されるに至るまで継続実施されたのであるがこのような当時の保護政策によって伐採を禁止された5種類の樹木がすなわち木曽の五木である。

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