イチモンジセセリの夕刻から翌朝

1997年9月30日の
 夕刻から翌日まで

2頭の成虫が夜を過ごすところを観察する機会を得た。観察場所は東に急斜面をもつ山すそで、 その日、夕日をあびて吸蜜、静止などの活動していた10数頭のイチモンジセセリが気温の下降とともにそれぞれ ねぐらへ移動し見えなくなった。当地は山間部で日が西山の稜線へかくれると急激に気温が下がる。
 09/30_17:10
1頭の本種が地上1m程の葉上に静止していた。気温はすでに10度近くまで下がっており このまま夜を過ごしのではないかとと思われたので写真を撮り記録しておいた。なお、 近くの葉陰にももう1頭静止していた。
 10/01_08:30 気温5度、案の定昨夕のイチモンジセセリを同一の場所で確認でき、撮影した。 当該個体は露に全身を被われ厳しい夜を過ごした事が見てとれる。昨夕確認したもう一頭の本種は葉陰に 静止していたため露はついていなかった。
次に、飛び立つまでを観察した。
 10/01_12:00
気温13度、葉表の個体はすでに露も蒸発し、体は乾いているが動こうとしない。地形の関係で直射光はまだ 当たらない為、体温が上がらないのだろう。
 10/01_13:00
気温14度、葉表の個体は日射を受け飛び立ったもようで既に姿を認めず、葉陰の個体は日射が受けられず 体温が上がららないため依然静止中
 10/01_13:40
飛び立った、気温18度
考察 木曽谷はこの頃になると特に寒暖の差が激しく、晴天時夕方の気温下降は急でいっきに10度近く下がる事が ある。当観察の二日間も記録はしていないがその様な状態であった。普段は「朝日が当たり朝露が付かない ねぐら」を探す本種群の一部が、この日(9/30)は西日の当たる東側山際に長居をし、ねぐらを探しに行く 前に体温が下がってしまい、仕方なくその場で夜を明かしたという事だろうと考えている。
 
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