キタキチョウの奇妙な行動を観察
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2017年8月10日、 拙宅のゴーヤで作ったグリーンカーテンにキタキチョウが飛来し吸蜜していました
昼ちょっと前に風が吹いてゴーヤの黄色い花が大きく揺れる度にキタキチョウが変な動きをしているこ
とに気づき観察をしてみました、対象の花は雄花でキタキチョウは口吻を花の裏側、額の方から挿して
吸蜜しています。
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風で揺れるさまをまねて手でゴーヤの茎を軽く持って揺らしてみましたら先ほど同様に羽で花を抑え
込むような動きをします、その間口吻は花に差し込んだままでした。その後蝶の邪魔をしないように離
れて時々観察する事にましたが30分経っても1時間経っても先ほどの花を離れることはなく、夕方の6時
半になってもそのままの体勢で、優に7時間に及びました。
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19時、雨が降りだしました、20時になってキタキチョウの事を思い出して懐中電灯でのぞきましたら
花は落下し途中に引っかかっており、キタキチョウは落下した花のすぐそばにある葉裏に静止していま
した。でも良く見ると口吻が花に向かって伸ばしたままで落ちた花を口吻で吊っているように見えます
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翌8月11日、朝6時に再度観察しますと昨夜のまま!そこでキチョウと繋がっているゴーヤの雄花を屋内
に取込み花を分解してみる事にしました。もしや花芯に虫でも隠れていて蝶の口吻に食い付いているか
もと考えたからです。ところが虫のようなものは見つからず、口吻が複雑に花芯へと伸びているように
見えました。口吻を傷めないように花を更に分解して花との分離に成功、蝶はこの間2〜3回羽ばたいた
だけで逃げようともしませんでした。
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口吻の先が粘着性の液体で塞がっているとまずいと考え綿棒に充分水を含ませて与えると吸水か洗浄
かは分かりませんが執拗に綿上で口吻やバルビを動かしながら口吻の巻取りも行っていました。
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見た目正常に戻ったように感じましたので後翅にマーキングをして07:05ゴーヤカーテンの雄花へ止
まらせますと花はもう御免とばかり急いで葉上へ移動し静止しました。
09:10変化なしを確認して外出。所用を済ませて14:20帰宅し様子を見ると葉を多少移動したようで
すが依然として飛び去る事もなく体力の消耗がはなはだしかったように推測できました。
翌12日になって10時頃様子を見ますとチョウの姿は認められず地面に死骸もないことから飛び去った
ものと思われました、しかし蟻が死骸を持ち去ったかもしれず消化不良の観察結果となりました。
原因は吸蜜の為に口吻を花の裏から複雑な形に差し込んであったために花の収縮にともなって口吻の
先を挟まれてしまい身動きがとれなくなってしまったという事でしょう。
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