980308
貸し出し数が大切



 図書館はさまざまな活動をしていますが、それらのうちもっともよく知られているのは、貸し出しでしょう。奈良県川西町の教育委員会が図書館を新設
するに当たって1996年に行った調査によると図書館の活動で知っているものについてアンケートを取ったところ、1位が貸し出しで93.6%(複数回答)、2
位が新聞・雑誌の閲覧、以下、予約、レファレンスと続きます。また同じ調査で図書館に求める事業についても、1位は貸し出しで64.1%でした。

 図書館は単なる本の館ではなく、資料提供のシステムだと言われます。そのシステムが有効に働いているかどうかのバロメーターが貸し出し数だと言
われています。

 利用者の資料要求は多岐にわたるものですが、その一つ一つに丁寧に答え資料提供することで図書館の信頼度は増し、いっそう利用率は高まりま
す。

 長野県で一番貸し出し数の多いのは下条村図書館です。この図書館では漫画を積極的に取り入れていると言うことですが、貸し出し数の秘密は単に
漫画にあるとは思えません。

 一昨年の図書館大会での下条村立図書館の司書さんが「貸し出し数の秘密は」と聞かれて「とにかく一人一人の利用者の要求にこたえているだけで
す」と答えていたからです。

 さて、木曽郡ではどうでしょうか。私たち木曽の図書館を考える会では1994年度からの各図書館・図書室の貸し出し数を調査してきました。

 一定して貸し出し数が多いのは上松町公民館図書室で住民一人当たり0.4冊前後です。ここは以前から図書室を整理し、専門の担当者を置いていた
ため、ある程度の利用の定着が見られたのだと思います。

 また、近年とみに目をみはるのが木曽福島公民館図書室です、1994年度の 0.1冊以来、0.3冊、0.4 冊と年を追うにしたがって貸し出し数が増えてい
ます。

 これは地域の読書活動が根づいているせいもあるでしょうが、それ以上に図書室の保健センターへの移動、貸し出し・返却に保健センターの職員が対
応する、絵本などの児童書やベストセラーなどを優先的に購入する、購入図書のアンケートをとる、などの図書室側の努力が実を結んだ成果だと思いま
す。

 しかし、それにしても楢川村立図書館の1.5冊とは大きな差があります。むろん資料購入費も違いますが、図書館では常に職員がカウンターの中にいて
利用者のさまざまな資料請求に答えられるように努力しているからです。リクエスト、リファレンスという制度もあります。(これについては次回お話したい
と思います。)図書館の力の大きさがわかっていただけたでしょうか。

 なお、先にお話した下条村立図書館の1996年度の貸し出し数は16.4 冊、更にいえば諸外国にはもっと高い所もあるということを付記しておきます。





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